外国人留学生

外国人留学生はどうして就職活動に苦労するのか?を考えてみました。

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外国人留学生の内定率は低い

 就職支援会社大手の株式会社ディスコ様が行った、2019年3月卒業予定の外国人留学生を対象とした調査によると、2018年7月時点の日本人学生の内定率は81.1%となっていのに対して、外国人留学生の内定率は42.6%にとどまっているとのことです。簡単に言えば、日本人学生と比べた場合、就職率が半分程度であるという結果になっています。

そもそも、外国人留学生の企業への応募数が少ないのか?というと、そうした傾向はなく、外国人留学生の応募社数は平均27.6社と、日本人学生と大きな違いはないようです。
では、何故??

その理由の1つには、外国人留学生の就職活動の開始時期が、日本人学生と比べて遅いという理由があるようです。 実際に、就職活動を開始した時期について調べてみますと、外国人留学生の約30%が、4年生の4月からと回答したのに対し、日本人学生では、3年生の6月が最も多く、就職活動に対する動き出しのタイミングに大きな差があることが分かりました。

そもそも、海外では、卒業後に就職活動を始める国も多く、来日している外国人留学生にとっては、こうした日本の新卒採用というプロセス自体が理解しにくいという背景もあるようです。いくつかの留学生に対する就職活動に関するアンケート結果をみても、毎年、日本の就職活動に馴染めないという回答が上位にもなっています。

日本人と同じ土俵での選考を求めてしまう採用企業

 別な理由として、多くの新卒採用を行っている日本企業は、外国人にも同じ土俵(選考基準)で戦うことを求めていることも、留学生の採用が進まない理由のひとつのように思われます。

 留学生の多くが、大手志向である点も、この同じ土俵問題に拍車をかけているとも言えます。知名度のある会社であれば、日本人学生も含めた応募者はたくさん集まります。そうした中では、企業側も、あえて採用基準を留学生用に別設定する理由はありません。日本人学生と伍して戦い、活躍が期待できる留学生のみを採用すれば良いと考えるのが普通です。

 しかし、こうした大手企業に入社した外国人留学生は、離職率が高いという事実もあります。入社後、企業内で日本人と同じように扱われてしまうことで、自分の居場所をなくし、結果早期離職につながってしまう例は後をたちません。以前、私も大手通信会社を2ヶ月で辞めた元留学生が転職の相談に来たという経験があります。入社の理由は、国の親も会社名を知っていたから。退職の理由は、簡単な作業ばかりしか任せてもらえず、自分の能力が活かせる感じがしなく、 自分の将来にも希望が持てなくなるからとの話でした。

 日本企業は、まずは現場からコツコツと積み上げていく制度になっています。コツコツと頑張っていれば、ゆるやかに昇給し、ゆっくり昇進していくことが多いと思います。ベンチャー企業などは違いと思いますが、新卒社員を大量に採用する大手企業では、過去から続くこのような社風があります。でも、外国留学生は『いつまで』に『誰が』、 『どうやって』 など、はっきりさせないと理解ができません。日本企業に入る外国人留学生も、頭では日本企業のやり方を理解してますが、実際に会社に入ると、困惑するケースも多くあります。そして数ヶ月が立つと、将来が見えないと言って辞めてしまうのです。

会社選びで重視すること

 日本人学生と外国人留学生の違いを、わかりやすく現している調査結果があります。株式会社ディスコ様の 外国人留学生の就職活動状況 調査結果によりますと、 就職先企業を選ぶ際に重視する点(上位15位まで) という質問項目に対し、

・日本人学生:  福利厚生が充実している (31.5%) 1位
・外国人学生:  将来性がある (57.4%) 1位

となっています。ややもすると安定志向な日本人学生に対して、成長志向な留学生という構図が少し見えてきそうです。

 しかし、外国人留学生も、こうした内に秘めている成長志向を上手にアピールできていません。語学の問題、就職活動の慣れの問題もあり、面接の場では、日本人学生に負けてしまっている場面が多々あるようです。実際は、なかなか難しいとは思いますが、日本人学生とは違う面接のやり方や、回数などで、留学生の真意を確かめてあげる企業が多くなると、少しは留学生採用も多くなるような気がしています。

 このように、成長志向もあり、若いうちから、実力を身に着けたいと思っている留学生を見抜ける企業は、留学生採用という点においても成功しています。

経済産業省が発表する資料に以下のようなものがあります。ぜひ、お時間ありましたらご一読いただければと思います。

高度外国人材活躍企業50社

まとめ

 外国人はすぐい辞めるという話も聞きます。確かに、前述のように2ヶ月で辞めてしまう留学生がいるのも事実です。しかし、多くの留学生は、成長意欲も高く、頑張っています。

 離職率からみれば、厚生労働省発表の新規学卒就職者の離職状況からみますと、日本人全体では、 新規学卒就職者の就職後3年以内離職率は大卒 31.8% となっており、決して低い数字では有りません。確かに、 外国人は母国に親や友人に、何かあれば『そんなに大変なら帰っておいで』と言われ、これに影響を受けているという話も聞きます。しかし、この日本人の離職率からみますと、特別に外国人留学生がすぐに辞めるとも言い切れないのでは?と思います。

  卒業後の希望就職先については約6割の留学生が「日本にある日系企業」に主就職したいと回答しており、「日本にある外資系企業」(22.7%)と回答した学生と合わせると、約8割以上の外国人留学生が卒業後も日本で働きたいと考えていることも分かっています。

 こうした貴重な人材をもっと活用できるようにしてみたいと当社では思っていますが、皆様は、どのようにお考えになりますか?