異文化マネジメントを考える

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異文化マネジメントの必要性

こんにちは。編集部員の川上です。本日は、外国人材を採用するときに必ず頭の中をよぎる不安=異文化マネジメントについて、文章にまとめてみたいと思います。

外国人と日本人では、常識として考えていることに違いがあるのは、みなさんもご理解いただけていると思います。国ごとに異なる文化がある以上、当然です。しかし、日本は歴史的に海外との交流がそれほど多くなく、結果として国民レベルでは、日本人だけでの生活が当たり前だったので、海外の文化に対して、受け入れ難いところがあるのも事実ではないでしょうか? 読者の皆様はどのように感じていますか?

当社がサポートさせていただいている会社様の中でも、良い悪いは全く関係なく、比較的、日本人的な候補者をお求めになっている企業様が多いようには思います。職場の中でいきなりハレーションを起こされても困りますので、致し方のないことだと理解しています。でも、今後さらにグローバル化が加速し、同時に日本の若年労働人口が減少していく中では、優秀な人材を海外に求めていくことは必然かと思っていますので、今のうちから、少しづつ、異文化とどう接していけばよいのか?また実際には、どのような文化の違いがあるのかを知っておくと良いと思います。

そこで、異文化への対応方法について、既に日本で仕事をしている外国人労働者の割合が多い国を中心に、ご紹介したいと思います。

日本で働く外国人材の国籍 代表国 4カ国

厚生労働省発表の国籍別外国人の割合という調査結果(3ページ目)から、日本に馴染みのある代表的な国を4つ選んでみました。この4つの国で、日本にいる外国人の約60%以上を占めています。

  • 中国
  • 韓国
  • フィリピン
  • ベトナム

皆様の職場に在籍されているかは別にして、馴染みのある国ではないでしょうか? 中国、韓国といった国は、日本の近隣国でもあり、比較的、文化は近いとされていますが、それでも、やはり就労観には大きな違いがあります。当社にも韓国人スタッフがいますが、やはり日本人とは異なる考え方をもっています。当社ではそれを歓迎しています。

個人によって、当然に異なると思いますが、非常に大まかに、あくまで集団としてとらえた場合での傾向としては、各国で以下のような傾向があると感じています。

中国 ⇒ 合理的な考え方を重視する

韓国 ⇒ 大手思考、上昇志向が強い

フィリピン ⇒ 相手の気持を尊重する

ベトナム  ⇒ 仕事よりも個人や家族を大切にする

といったところでしょうか? 例をあげて説明をすれば、中国の人は、合理的なため、自分が無意味だと思ったことは指示があっても真剣にやらない傾向があります。具体的には、見込みの薄い営業先に、何度も提案するといったことは、指示をしても真剣にやってくれる可能性は低いといった具合です。また、韓国人の場合には、職位が高い人からの指示を常に優先し、同世代あるいは下のスタッフからの依頼への対応を後回しにする傾向があります。上意下達なコミュニケーションを得意とし、リーダーの存在しないフラットなチームワークを苦手とする傾向があるとも言えます。もちろん、ベトナムやフィリピンにもそれぞれの傾向があります。このあたりは『ホフステードの6次元モデル』なども参考にされると非常に参考になるかと思います。

本当は、それぞれの国籍を理解して、個々に対応するということが望ましとは思いますが、それでは、日本人だけが【七変化】を求められてしまい疲れてしまいますので、次章では、どうしたら異文化に対応できるのか?その簡単方法について考えてみたいと思います。

相手を知る前に、自分たち日本人の特徴を知る

外国人材に日本人の特徴を知っておいてもらうだけで、だいぶ楽になります。加えて、自分たちの常識が特別なものであることを知っておくことで、各国の方への話し方や対応を変えることができます。日本人の特徴を一言で言ってしまえば、

  • ハイコンテクスト

であるということです。

アメリカの文化人類学者であるエドワード.T.ホールが唱えた「ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化」という識別法があります。

  • ハイコンテクスト文化…曖昧な表現も含まれ、結果的に、聞き手に判断をゆだねる
  • ローコンテクスト文化…曖昧さを排除し、全てを言語化する

簡単に分けると、こうした違いです。

ハイコンテクスト文化とは、日本では当たり前にように、相手と自分を傷つけないため「お察しください」「空気を読みます」といったことが行われていますが、このような行動文化のことを言います。

他方、ローコンテクスト文化は、よく欧米人のイメージにあるような『イエス・ノーをはっきりと口にする』行動を指します。ハイコンテクスト文化が相手の理解力を要するのに対し、ローコンテクスト文化は伝えたいことをすべて言語化するため、相手に察してもらう必要がないのが特徴です。

日本は世界No.1のハイコンテクスト文化ですので、全ての外国人は、日本人とのコミュニケーションに苦労すると言っても過言ではありません。自分では遠回しに言っていないつもりでも、外国人には、十分に遠回しに聞こえたりすることがあります。あるいは、外国人材が、普通に単純に聞きたいから質問していることも、日本人には相手からの強い意図や主張を感じてしまい、嫌悪感や威圧感を感じ、相手との距離が生まれてしまうこともあります。特に中国籍の方の質問はストレートだったりしますので、この点で違和感を感じてしまう日本人もいます。

これが、日本人、自分自身の特徴であり、傾向であると認識するだけでも、異文化マネジメントの上では大きな1歩になると思っています。

適切な教育機会を提供する

国民性などの文化に加え、コミュニケーション方法の違いを認識した上で、社内のルールや行動規範について教育を行えばば、外国人材をスムーズに受け入れることが可能になります。

当社のお客様でも実際に多くの外国人材を雇用している会社では、定期的に教育や交流の場を設けている会社が多いです。教育というと社内研修のようなことをイメージされると思いますが、半年に1回位は良いと思いますが、そうそう外国人材だけを集めての社内研修も難しいと思いますので、適度に日本人との交流の場を用意するなどの工夫があると良いと思います。

成功している会社様の中には、週末ごとに、各国の食べ物を用意した社内交流イベントを開催している会社がありました。今週は、『ベトナムナイト』、次週は『ミャンマーナイト』のようなイベントです。こうしたイベントの中で社内の文化や行動規範を社員同士で話してもらうというやり方をとられていました。このような方法を参考にするのもおすすめです。

まとめ

  • 日本人の価値観をまずは知ること
  • 外国人材にも遠慮なく『自社』の理念やルールを教育すること
  • 言わなくても『常識』で分かるだろう、とは考えず、できるだけ背景から言葉で説明すること
  • 各国の文化も尊重し、その行動の背景を考えてあげること

外国人材を受け入れる場合は、阿吽の呼吸といった日本的な職場環境から、言葉で伝え合う職場づくりが必要です。とりわけ日本では、共有時間や共有体験に基づいて『よい職場』がつくられていくことが多く、「同じ釜のメシを食った」仲間同士では言葉でなくても気持ちが通じ合うことになります。

ところがそれが、現代では、異文化を受け入れる障害にもなってしまうので、これからは、今までのやり方を否定することなく、それに加えて、言葉でのコミュニケーションを取り入れ、話し手の意図よりも聞き手の理解という考え方で、異文化マネジメントを進めていかれると良いかと思います。