【完全ガイド】外国人スタッフの募集から入社手続きまで 必要な準備篇

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近頃、外国人の採用を検討されている採用担当者様からの「外国人を雇用したいが、就労ビザの手続きがわからない」といったご相談が増えています。基本的な入社後管理は日本人と同様ですが、選考の進め方や入社前後の手続きは特に注意が必要です。

本稿では、外国人採用の流れと必要な知識を理解するために、前後編に分けて解説します。前篇では、外国人採用に必要な知識や条件、後編では、在留資格申請の流れと手続きなどをDLリンク付きでご紹介します。

外国人雇用 全体の流れ

外国人スタッフ雇用手続きは、大きく分けて以下の6つのステップに分かれています。順に追っていきますので、まずは全体の流れを確認しましょう。

  • 1)募集前確認  :募集内容で外国人を採用可能か確認します。
  • 2)募集開始   :募集を開始します。
  • 3)内定前確認  :候補者の就労ビザの取得見込みを調査します。
  • 4)雇用契約書作成:内定後に雇用契約書を作成します。
  • 5)就労ビザ申請 :就労ビザを申請します。
  • 6)雇用開始   :就労ビザが取得できたら雇用開始です。

1)募集前確認※重要

外国人採用では適切な在留資格(以下、「就労ビザ」)を持つ人材を雇用することが原則となります。なぜ募集する前に確認すべきかというと、募集職種によってはビザが下りないケースがあり、候補者を何人面接して内定を出しても選考に割いた時間が無駄になる可能性があるためです。

ざっくり単純に言えば、外国人である必然性がない職種ではビザは下りません。例えば、工場の作業員や飲食店のホールスタッフのような単純労働や、日本人顧客を相手にした営業ポジション、日本人しかいない職場での総務スタッフなどです。

ビザが許可される職種例

就労ビザが取得可能なポジションを見てみましょう。在留資格は27種と多岐にわたるため、本稿ではオフィスワーカー向けの在留資格として最も申請件数の多い「技術・人文知識・国際業務ビザ(以下、「技・人・国ビザ」)」に絞って解説します。その他の資格は割愛しますが、一般的な企業において必要とされる募集は「技・人・国」ビザが必要になると覚えておくとよいでしょう。

文系職
  • 営業職(海外顧客対象)
  • バックオフィス(人事総務・経理・事務)
  • プランナー
  • 通訳通訳
  • デザイナー
  • 語学教師・講師
理系職
  • エンジニア全般(IT/機械/科学/その他)
  • ブリッジSE
  • その他

上記に当てはまらず、かつ外国人である必然性のない職種(語学力を活かした仕事や、高度な専門知識を活かした業務)の募集ではない場合は、就労ビザがおりない可能性が高いといえます。もちろん、企業の規模や事業体制、外国人の在籍者有無などによっては許可される場合もありますので、既に選考が進んでいる候補者がいる場合は、一度専門の行政書士や入国管理局へ相談することをおすすめします。

2)募集開始

求めるスキルを持った外国人材がいる媒体や紹介会社に依頼して、選考を開始します。各都道府県の大学や日本語学校で開催している採用イベントに出展したり、社内スタッフからの紹介で採用するケースが多いですが、費用対効果を考えて紹介会社や媒体経由で募集するのも有効です。有効な募集方法については別の記事でご紹介します。

3)内定前確認

候補者からの応募があったら、選考へ移るまえに条件を確認しましょう。

条件A:必要な学歴があるか(新卒・中途)

「技・人・国」ビザでは、本人が専門学校、又は大学に卒業していることが必要です。大学卒業以上の場合、理系職・文系職のどちらでも取得できる可能性がありますが、専門学校卒では専門課程における修得内容と入社後の業務が一致しているかどうかを厳密に審査されますので、注意が必要です。

なお、日本国内の大学である必要はありません。ただし、日本の大学と同等の教育内容であるかという点が審査対象となりますので、本国での教育内容や単位の取得方法などをよく確認してください。判断に困ったら管轄の入国管理局へ問い合わせることをお勧めします。

本人学歴 卒業証明書や成績証明書

条件B:一定以上の実務経験があるか(中途)

最終学歴が高校卒等の場合でも、採用職種について10年以上の実務経験(通訳や語学講師の場合は3年以上)があれば申請可能です。

本人職歴 過去の勤務先の在職証明書、その他職歴がわかる資料

何の在留資格を持っているか(日本在住の候補者を選考する場合)

日本に定住している外国人は、基本的に「在留カード」を持っています。在留カードは本人の在留目的や日本に滞在できる期間、就労資格などが記載されている身分証明書ですので、選考の前後できちんと内容を確認しておきましょう。

「技・人・国」 転職元企業と同じ職種での募集であれば在留資格更新だけの簡単な手続きのみ必要です。ただし、通訳翻訳として従事していた方がエンジニア求人に応募した場合など、別職種とみなされるケースでは在留資格の在留資格の変更申請が必要です。
「留学」「家族滞在」 在留資格の変更申請が必要です。裏面の「資格外活動許可欄」に「原則週28時間以内」と記載がある場合、アルバイトなどの就労は可能です。
身分に基づく在留資格 日本人同様に職種の制限もなく、本稿で解説している外国人特有の手続きの必要はありません。

なお、在留期間の満了日を過ぎている場合は当然ながら不法滞在状態ですので、選考はNGです。意外と見落としがちなところなので、注意してください。

まとめ

本稿では外国人採用の前準備として、必要な準備・前提知識をご紹介しました。細かな内容が中心でしたが、まずは概要だけ抑えておき、実際の採用タイミングで順に確認するようにすれば十分対処可能です。次項のビザ申請から入社篇では入管への申請から在留ビザの取得までの流れを解説します。