【完全ガイド】外国人スタッフの募集から入社手続きまで ビザ申請から入社篇

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前篇に続き、外国人雇用に必要な流れと注意すべきポイントをご紹介します。本稿ではいよいよ入国管理局へのビザ申請を行います。外国人採用の前提や心構えは必要な準備篇で解説していますので、合わせてご覧ください。なお、本記事でDL頂ける申請書類は、一般に外国人材がオフィスワーカーとして国内就労する際に必要な「技術・人文知識・国際業務」を対象としています。その他の在留資格(教育・経営・技能・特定活動等)での申請を行う場合は、法務省HPより、適切な書類をダウンロードしてください。

4)雇用契約書を作成する

候補者選考後、内定を出したら雇用契約書を取り交わします。雇用契約書は就労ビザ申請に必要となりますので、内定応諾の連絡を貰ったらすぐに作成し、早めに審査手続きへ移ったほうがよいでしょう。入国管理局での審査は、早くて1ヶ月、長くて3ヶ月ほどかかります。

内容は日本人スタッフと同じものでも構いませんが、日本人でもわからない法律用語は、外国人にはさらに理解できません。入社後トラブルを避けるためには外国人の母国語又は英語で書かれたものがベストです。

雇用契約書内に外国人採用向けの文言を追記する

この時点では在留資格が許可されるかわからないため、入社が未確定な状態で雇用契約を結ぶこととなります。そこで、在留資格の申請が必要な外国人を採用する場合は、下記の1文を追加しておくことをおすすめします。

「この雇用契約は、日本で就労可能な在留資格の許可及び在留期間の更新を条件として効力を有する。」

このような文を入れておくことで、万が一ビザが発行されず、就労不可となった場合でも候補者との無用なトラブルを避けることができます。

外国人の雇用契約書作成にあたっての注意点まとめ

  • 外国人の母国語の雇用契約書を適宜用意する
  • 雇用契約書の「業務内容」欄と、本人の学歴・職歴が一致しているか確認する
  • 「この雇用契約は、日本で就労可能な在留資格の許可及び在留期間の更新を条件として効力を有する。」の1文を追記する。

5)就労ビザ申請

上記の書類が準備できたら入国管理局に申請します。自社の所在地を管轄する入管がわからない場合は、入国管理局HPから確認しましょう。

就労ビザ申請の流れとその必要書類は、候補者の状況と募集内容により3つのケースに分かれます。以下、ケース別に見ていきましょう。

CASE1:外国人留学生を採用する場合

日本に留学している外国人留学生を採用するケースです。留学生を新卒採用する場合は、「留学」ビザから「技・人・国」ビザへの変更手続き(在留資格変更許可申請手続き)が必要です。4月入社の留学生の場合前年の12月1日から申請できますが、春は入国管理局が混雑するので、遅くとも1月中旬には申請し4月入社に間に合わせましょう。申請は1ヶ月〜3ヶ月程度かかります。

必要書類
  • 外国人本人の証明写真(縦4センチ×横3センチ)
  • 大学または専門学校の卒業証明書写し
  • 在留カード写し
  • パスポート写し
  • 本人履歴書写し
  • 在留資格変更許可申請書
  • 前年分の従業員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し
  • 会社の登記事項証明書写し
  • 会社の定款の写し
  • 会社案内またはホームページの写し
  • 直近年度の貸借対照表、損益計算書の写し
  • 採用理由書
  • 雇用契約書

CASE2:既に日本で働いている外国人を採用する場合

日本ですでに働いている外国人を採用する場合、転職元で行なっていた職務内容と同じかどうかで申請手順が変わります。

CASE2-1:転職元と職務内容が同じ

入管法上必須の手続きではありませんが、「就労資格認定証明書」を取得しておくことをおすすめします。この手続きは外国人本人、企業どちらでも可能ですが、確実な申請のためにも企業側で進めるべきです。外国人本人は転職後14日以内に契約機関変更に関する届出が必要です。

就労資格認定証明書とは?

外国人が転職により所属する勤務先が変わった場合でも、現在の在留資格内で就労が可能なお墨付きがもらえる、入国管理局発行の証明書のことです。発行しなくても就労自体は可能ですが、次回更新時に転職先企業の業務内容などを新規に審査されることとなり、そこで不許可となった場合帰国せざるを得なくなることも多く、企業・本人の両者にとって大変な問題となってしまいます。

必要書類
  • 外国人本人の証明写真(縦4センチ×横3センチ)
  • 在留カード写し
  • パスポート写し
  • 前職の退職証明書・源泉徴収票写し
  • 大学等の卒業証明書写し
  • 本人の履歴書写し
  • 就労資格証明書交付申請書
  • 前年分の従業員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
  • 会社の登記事項証明書写し
  • 会社の定款写し
  • 会社案内またはホームページ写し
  • 直近年度の貸借対照表、損益計算書写し
  • 採用理由書
  • 雇用契約書

CASE2-2:転職元と職務内容が異なる

日本に在住し、既に国内企業で働いている場合でも、転職元と募集内容とで職務内容が異なる場合は「在留資格の変更許可」が必要です。候補者本人と企業それぞれに審査が行われます。

必要書類
  • 外国人本人の証明写真(縦4センチ×横3センチ)
  • 在留カード写し
  • パスポート写し
  • 前職の退職証明書・源泉徴収票写し
  • 本人履歴書写し
  • 在留資格変更許可申請書
  • 会社案内またはホームページ写し
  • 会社の登記事項証明書写し
  • 直近年度の貸借対照表、損益計算書写し
  • 前年分の従業員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
  • 会社の定款写し
  • 採用理由書
  • 雇用契約書

CASE3:海外にいる外国人を来日させて採用する場合

近年特に増えているのが、海外で働いている外国人や海外の大学を卒業する外国人を採用し、日本で雇用するケースです。この場合、下記の流れで申請を行います。

  • 雇用企業が「在留資格認定証明書」を管轄の入国管理局に申請する
  • 「在留資格認定証明書」が発行されたら、外国にいる内定者に送付する。
  • 内定者が現地の日本大使館に「在留資格認定証明書」を提出する
  • 就労ビザが発行され、来日→入社する

複雑なように思えますが、実際には国内在住者と比べて郵送の期間が延びるだけで、手続自体はそう難しくありません。必要書類も他のケースとほぼ同じです。

必要書類
  • 外国人本人の証明写真(縦4センチ×横3センチ)
  • 返信用封筒(宛先を明記して392円切手を貼り付けたもの)
  • パスポートの写し
  • 前職の退職証明書・源泉徴収票写し
  • 大学等の卒業証明書写し
  • 本人の履歴書写し
  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 前年分の従業員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
  • 会社の登記事項証明書写し
  • 会社の定款写し
  • 会社案内またはホームページ写し
  • 直近年度の貸借対照表、損益計算書写し
  • 採用理由書
  • 雇用契約書

就労ビザの審査は各管轄地域の入国管理局で行われますが、通常「1か月」から「3か月」かかります。また、就労ビザは申請すれば必ず認められるものではなく、不許可になるケースもあります。その場合、追加書類を提示することで再審査可能なこともありますので、担当官に不許可事由を確認するとよいでしょう。なお、平成25年の統計では、留学ビザから就労ビザへの変更申請について、約1割が不許可となっています。

6)雇用開始

在留カードが交付されたら、いつでも入社が可能です。後は入社準備を済ませましょう。

外国人雇用状況の届出

「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務外国人社員の入社、退職などの雇用状況を会社の管轄の職業安定所へ届出することが義務付けられています。雇用保険被保険者であれば、入社時は資格取得届を、退職時は資格喪失届を期日までに届出ることが必要です。

日本人社員同様に行う手続き等

  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)

社会保障協定の確認

外国人が日本の会社に就労した場合、日本の社会保障制度(健康保険・厚生年金保険など)にへの加入が必要なため、既に加入している海外の社会保障制度と保険料を2重に支払う問題が発生します。その場合、日本と社会保障協定を結んでいる国の出身者であれば免除されるケースがあります。

協定国は随時更新されます。現在の協定国は社会保障協定について(概要、手続き等)からご確認ください。

脱退一時金の確認

社会保障協定を結んでいる国以外から日本の会社に働きにきている外国人社員や、社会保障協定を結んでいる国から日本で5年以上働いている外国人社員の場合、厚生年金保険の加入が必要になります。もし、厚生年金保険に加入していて保険料を払っていた外国人の社員が、退職や派遣の期間満了などで帰国しなければならなくなった時、保険料を支払ったままで年金を受け取ることができなかったら加入するのは無駄ではないか、不利益ではないのかと感じる外国人社員がいるかもしれません。このような不利益などが生じないように、6ヶ月以上厚生年金保険に加入している場合、帰国した2年以内に請求をすれば、脱退一時金として支払った保険料の代わりに一定金額の還付する制度があります。

最後に

外国人が日本の会社で働くためには、日本で働く資格を取得するための手続きなど、入社するまでにしなければならないことが多く、時間もかかります。入社が決まった際は手続きに遅延などが起こらないように、綿密な入社スケジュールを立てるなどして、入社手続きを確実に行うよう心掛けていきましょう。